内視鏡は下垂体腫瘍、脊索腫、頭蓋咽頭腫のみならず様々な脳腫瘍に対して有効な治療法です。愛知、東海地方の中核病院である名古屋大学脳神経外科の内視鏡治療をお知らせします。

成長ホルモン産生下垂体腺腫(先端巨大症、アクロメガリー)

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成長ホルモン産生下垂体腺腫について

先端巨大症、アクロメガリーといいます。
手足やあご、額が大きくなるなど外見上の変化が現れます。
糖尿病、高血圧などの成人病の原因となります。大腸がんや心不全などを引き起こし寿命が10年縮むといわれています。
手術治療が第一選択です。手術治療で治らない場合、薬物療法(注射薬が主です)が必要となりますが薬物治療で根治に至るのは難しいです。
医療費助成制度が受けられます。術前術後に内分泌内科と協力したしっかりとした検査が必要です。

 

成長ホルモン産生腫瘍とは先端巨大症やアクロメガリーなどとも呼ばれています。

手足の先、あご、額などが突出するなどの外見上の変化が見られますが、ゆっくり変化してくるので家族にも気づかれないことがあります(いわれてみれば・・・と外来で言われることが多いです。)久しぶりに会う方に指摘されることもあります。ただ外見上の変化はなかなか指摘しにくいため教えてもらえないことも多いでしょう。

指輪が外れなくなった、靴のサイズが大きくなった、汗をよくかくようになった、いびきがひどくなったなどの症状があるようなら一度昔の写真と今を比べてみるのもよいかもしれません。

成長ホルモン産生下垂体腺腫(先端巨大症、アクロメガリー)の主な症状

先端巨大症では前述のような症状が出ますが、主なものを列挙いたします。

1.手、足などが大きくなる。骨自体も大きくなりますし、軟部組織も大きくむくみますので手がこわばる感じが出ます。グーを作った時に爪が隠れなくなります。
2.願望の変化。顎や額などが突出し、鼻が大きくなります。
3.いびき。舌が大きくなり、喉の奥の成分が大きくなるためいびきや睡眠時無呼吸などの症状が出ます。
4.手のしびれ。手の感覚をみる神経の通り道が細くなることでしびれ、いたみが出ます(手根管症候群)

このような変化が現れますが、全体的にむくむためシワが少なく、髪の毛の量も多く、筋肉もつきやすいなど同年代に比べて若い印象が持たれます。ただ、成長ホルモンはドーピングにも使われるようなホルモンであり、大きな負担が体にかかっていることを忘れては行けません。

これらの外見上の変化に加えて見えない部分の変化もあります。

1.高血圧
2.糖尿病
3.がん
4.心臓弁膜症、心不全

このような変化により寿命が10年縮むとも言われています。

成長ホルモン産生下垂体腺腫(先端巨大症、アクロメガリー)の治療

成長ホルモン産生下垂体腺腫の治療方法として手術治療、薬物療法、放射線治療がありますが、根治性、治療の有効性、費用を含めた副作用などの観点から第一選択は手術治療(鼻からの経鼻手術)とされています。

主な治療の流れは下記の図の通りです。
・手術治療・・・
経鼻内視鏡手術が主に利用されます。腫瘍のサイズによっては開頭術やコンバイド手術(経鼻内視鏡手術と開頭術を合わせて行う)が必要になることもありますが稀です。
状態によっては手術前に薬物治療(ソマトスタチンアナログ)の投与を行います。先端巨大症の諸症状が改善し手術リスクの低減につながります。
手術治療となった場合、おおむね10日~2週間程度の入院が必要です。手術を行った後定期的に採血検査、尿検査、CTやMRIなどの画像検査を行います。

・薬物治療・・・本疾患に有効な薬物があります。
ソマトスタチンアナログ・・・注射薬です。月に一回程度おしりに注射をすることでGH値を下げることができます。
ドーパミン作動薬・・・飲み薬です。カベルゴリンという薬の内服を行います。効果はありますが他の薬物治療に比較して弱く、作用発現まで時間がかかります。
成長ホルモン受容体拮抗薬・・・注射のお薬です。自己注射にて毎日投与していただきます。効果は強いですが、腫瘍の増殖抑制効果はありません。

医療費助成制度について

成長ホルモン産生下垂体腺腫(アクロメガリー)の治療は医療費助成制度の対象となっています。術前にしっかりとした検査を行い申請することで医療助成が受けられます。成長ホルモン産生下垂体腺腫に対する薬物治療は非常に高価なものです。術前に申請を行いましょう。あらかじめ主治医にご相談ください。
情報のあるページはこちらです。

名古屋大学神経内視鏡・下垂体グループの取り組み

成長ホルモン産生下垂体腺腫(先端巨大症、アクロメガリー)の治療では特に診療体制が重要であると考えています。脳腫瘍という脳外科的側面、ホルモン異常という内科的側面があり、脳神経外科と内分泌内科との連携が非常に重要です。腫瘍が大きくなると視野障害の原因になりますので眼科との連携が必要となります。病気が進むと心臓弁膜症などの可能性もあり循環器内科・心臓外科との連携や、睡眠時無呼吸などの可能性のため耳鼻科との連携も重要です。このように複数の科との連携を取りより適切な治療が目指せるように体制を整えています。
手術についても内視鏡の広角な視野を活かして残存腫瘍なく、正常下垂体を傷つけない工夫を行いつつ摘出を行っています。詳しくは経鼻内視鏡手術をご参照ください。

最後に

成長ホルモン産生下垂体腺腫(先端巨大症、アクロメガリー)の治療は内分泌内科と脳神経外科との連携が非常に重要です。術前、術後に脳外科だけでなく内分泌内科にも受診をししっかりとした治療を行います。脳神経外科のみ、内分泌内科のみの診療で治療が完結するわけではありませんので、しっかりと連携をとって治療してもらうようにしましょう。複数科の受診が必要のため受診の回数が若干増えますが、しっかりとした治療ができないと命に係わる問題に発展する可能性がありますので自身の未来のためと思ってがんばって治療を行いましょう。手術治療や薬物治療が安定すれば受診回数も自然と減っていきますので(例えば手術で治癒状態となれば年1~2回受診です)それまでの辛抱です。
名古屋大学では内分泌内科と連携し、脳外科受診日と内分泌内科受診日を同一にできるように工夫をし受診日数を極力減らせるように工夫をしています。

成長ホルモン産生下垂体腺腫(先端巨大症、アクロメガリー)のご相談についてはこちらへ。

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